AIの出典枠は誰が占めているのか — 33サンプルの実測集計

結論

「LLMO対策会社 おすすめ」のような購買意図のある質問に生成AIが答えるとき、出典枠の大半を占めるのは支援する側の企業が自社ドメインで書いた解説記事です。実測した33サンプルの出典を集計すると、上位19ドメインのうち15が制作会社・SEO会社・コンサル会社のオウンドメディアでした。残りはプレスリリース配信サイト、比較記事メディア、投稿プラットフォームです。

補足: つまりこの領域のAI回答は、事業者の自己申告で構成されています。買える枠ではなく書く枠が中心です。

何を測ったか

2026年7月24日、購買意図のある質問11本を Gemini(Google検索グラウンディング)に投げ、各3回ずつ、計33サンプルの回答を取得しました。質問は「LLMO対策会社 おすすめ」「AI検索 対策 費用 相場」「GEO対策 会社」など、情報収集ではなく発注を検討している段階の問いに絞っています。

集計したのは回答本文ではなく出典URLです。回答の中に社名が出たかどうか(言及)ではなく、どのドメインが根拠として参照されたか(被引用)を数えています。この2つは別の事象で、検証できるのは後者だけです(理由は効果測定の記事で扱っています)。

集計の前に必要な処理

Gemini の出典URLは、そのままでは実際のドメインが分かりません。vertexaisearch.cloud.google.com/grounding-api-redirect/... という中継URLで返るためです。この状態で集計すると、中継ドメインが最頻出という無意味な結果になります。

そこで各URLにHTTPリクエストを投げ、リダイレクト後の最終URLに解決してから判定しています。ここを省くと集計そのものが成立しません。AIの課金は発生せず、並列化すれば時間もかかりません。

出典枠の内訳

上位19ドメイン(中継ドメインを除く)を種別に分けると、次のようになりました。

種別 ドメイン数 性質
支援会社のオウンドメディア 15 制作会社・SEO会社・コンサル会社が自社ドメインで書いた解説記事
比較・レビュー記事メディア 2 第三者が複数社を並べて紹介する記事
プレスリリース配信サイト 1 企業が自ら配信した発表文
投稿プラットフォーム 1 個人・法人が書いた記事のホスティング

個別のドメイン名は公開しません。他社の評価として読まれる書き方を避けるためです。ただし手法は上に書いたとおりで、同じ質問を投げれば誰でも再現できます。

読み取れること

1つ目。出典の中心は第三者の客観記事ではなく、事業者自身が書いた記事です。AIの回答は中立な評価を集めた結果ではなく、その領域で発信している事業者の言葉を集約したものになっています。これは良し悪しの話ではなく、構造の話です。書いていない事業者は候補に入りません。

2つ目。最上位のドメインでも33サンプル中12回で、11質問のうち5問への登場でした。特定1社が独占している状態ではなく、複数社に分散しています。後から入る余地は残っています。

3つ目。プレスリリース配信サイトが11問中5問の出典に現れました。これは自社ドメインの権威がなくても載れる面です。同じことは投稿プラットフォームにも言えます。自社ドメインが育つまでの間、既に引用されているドメインに一次情報を置くという選択肢があることを示しています。

この結果をどう使うか

当社自身の被引用は、同じ33サンプルで0回でした。95%信頼区間は0〜10.4%で、「ゼロ」ではなく「多くとも約10%」と読む数字です。構造化データも llms.txt も実装済みで、オンページ診断は要修正ゼロの状態でこれです。

この集計から導いた方針は2つあります。1つは、記事本数を積むこと。出典枠が事業者の記事で構成されているなら、書いていない状態では候補に入りません。もう1つは、自社ドメインが薄いうちは、既に引用されている外部の面に一次情報を置くこと。

いずれも効果を約束できる段階ではありません。同じ条件で毎月測り、変化を公開していきます。

よくある質問

自分でも同じ集計ができますか。

できます。購買意図のある質問を10本ほど決め、生成AIに複数回投げて、回答の出典URLのドメインを数えるだけです。手作業でも1時間程度で傾向は見えます。Gemini を使う場合は、出典URLが中継URLで返るため最終URLへの解決が必要です。

質問は何本あればよいですか。

傾向を見るだけなら10本前後で足ります。ただし1問あたりの試行回数が少ないと、個別の質問の結果はほぼ情報を持ちません。11問×3回の33サンプルでも、全体の傾向は読めますが個別の判断には足りません。回数を増やすほど区間が狭まります。

比較メディアに載るのが早いのではないですか。

選択肢の1つです。ただし掲載条件は媒体ごとに異なり、上場企業に限定している媒体も実際にあります。有料の掲載枠を持つ媒体もあります。載れる媒体を選別する作業が先に必要です。

Gemini 以外でも同じ結果になりますか。

分かりません。本記事の集計は Gemini のグラウンディング1系統のみです。ChatGPT の検索や Google の AI Overview は仕組みが異なり、別に測る必要があります。ここを「AI全般の傾向」と書くのは実測を超えるため、していません。

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この記事の執筆・運営

株式会社Neo Vision(ブランド名: Neovision / 東京都中央区銀座 / 法人番号 3010001263930)。AIを使ったWebサイト制作と、SEO / LLMO実装を専門とする制作会社です。本記事の数値は、自社で実装・運用している被引用サンプリングの実測結果です。計測日・モデル・サンプル数は本文に明記しています。数値の書き方と、誤りが判明したときの直し方は訂正ポリシーに定めています。

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