オウンドメディアの記事とサービスページ、AIに引用されるのはどちらか — 20ページの実測

結論

オウンドメディアの記事のほうが、サービスページより引用されやすいという結果でした。発注を検討している段階の質問で生成AIが引用した20ページのうち、19ページがオウンドメディアやブログの記事で、会社のサービス紹介ページは1ページです。

補足: サービスページを厚くしても、この型の質問では出典に入りにくいということです。オウンドメディアで引用を取りにいく面と、サービスページで受注を取りにいく面は、別に設計する必要があります。

何を測ったか

2026年9月、発注を検討している人が打つ質問を生成AI (Perplexity / sonar) に投げ、回答に添えられた出典URLを集計しました。質問は「LLMO対策会社 おすすめ」「LLMOコンサル 依頼できる会社」のように、情報収集ではなく依頼先を探している段階のものです。

集計したのは回答本文ではなく出典URLです。本文に社名が出たか (言及) ではなく、根拠として参照されたか (被引用) を数えています。この2つは別の事象で、機械的に検証できるのは後者だけです。

同じドメインから複数のページが引用されている場合は、最も多く引用された1ページを代表として選んでいます。1社の作法に結果が偏らないようにするためです。

20ページの内訳

URLの構造から、どの面に置かれたページかを分類しました。

ページ数 URLの例
ブログ・コラム 14 /blog/ /column/ /posts/ /topics/
オウンドメディア 4 /media/ /articles/ /knowledge/
用語解説の単独ページ 1 /what-is-llmo/
サービス紹介 1 /service/

記事面が合計19、サービス紹介が1です。ドメイン名は出しません。ここで見たいのは誰が入っているかではなく、どの面が選ばれているかだからです。

出典は1回あたり13〜15件付く

質問1回の回答に添えられた出典の数です。

質問 1回あたりの出典数 計測回数
LLMOコンサルティング 会社 おすすめ 15.3 21
BtoB企業のサイトをAI検索対応にできる制作会社 14.8 21
LLMO コンサル 依頼できる会社 14.1 21
LLMO対策会社 おすすめ 13.7 41
LLMO対策は制作会社と診断コンサルのどちらに頼むべきか 13.0 34

枠は10件以上あります。1位を取り合う検索とは違い、複数が同時に載る形です。

同じドメインが繰り返し現れる

枠が多いことは、入りやすいことを意味しません。最も多く現れたドメインが、何割の回答に登場したかを数えました。

質問 最頻ドメインの出現率 計測回数
税理士 ホームページ制作 おすすめ 100% 34
LLMOコンサルティング 会社 おすすめ 95% 21
LLMO対策は制作会社と診断コンサルのどちらに頼むべきか 91% 34
LLMO コンサル 依頼できる会社 90% 21
LLMO対策会社 おすすめ 80% 41

34回投げて34回とも同じドメインが出てくる質問があります。生成AIの回答は毎回文面が変わりますが、出典の顔ぶれは想像より固定的でした。

オウンドメディアの記事とサービスページ、どちらが引用されやすいか

実測の範囲では、オウンドメディアの記事です。19対1で差が付きました。因果を証明するデータは持っていないので、観測から言えることだけを書きます。

項目 オウンドメディアの記事 サービスページ
引用された数 (20ページ中) 19 1
扱える範囲 複数社・複数の選択肢 自社1社
質問との噛み合い 「どう選ぶか」に直接答える 「何ができるか」の説明
1ページあたりの論点 見出し55.2個ぶん サービスの説明が中心
役割 引用を取る 受注を取る

「おすすめの会社は」という質問に対して、サービスページは自社1社の説明しか持ちません。一方でオウンドメディアの記事には複数社の比較や選び方の条件が書かれています。質問が求めている形と、ページが持っている形が噛み合っているのは後者です。

これはサービスページの出来が悪いという話ではありません。役割が違います。サービスページは訪問した人に発注を決めさせるための面で、比較の材料を並べる面ではないからです。両方を1枚で兼ねようとすると、どちらも中途半端になります。

オウンドメディアの記事に共通していた構造

引用されていた20ページの平均です。

項目 引用された20ページの平均
本文の文字数 15,898
見出しの数 55.2
表の数 11.2
内部リンク数 68.7
外部リンク数 29.3
著者情報を持つ割合 85%

見出しと表が多いのは、論点ごとに区切られていて、どの部分が質問への答えかを取り出しやすい形になっているからだと考えられます。因果は確認していません。

この数字をサービスページの目標として読むのは誤りです。比べている相手は複数社を並べた比較記事で、1社を説明するページとは役割が違います。サービスページを15,000字にすれば引用される、という話ではありません。

ここから決めたこと

当社はこの実測をもとに、計測するクエリを組み替えました。

  • 「どの会社がおすすめか」型の質問は、サービスページでは入りにくい。オウンドメディアの記事で受けるか、他社の記事に載る側になるかの二択になる
  • 手順・判断・数字を聞く質問は、会社の列挙では答えにならない。解説記事が出典になるので、自社の面でも入りうる
  • 出典の枠が1社で固まっている質問は、短期では動かない。出現率を見て順番を決める

枠が10件以上あっても、入れるとは限らない

1回の回答に13〜15件の出典が付くと聞くと、検索の1ページ目より枠が多いように見えます。実際には順番があります。

生成AIは質問をそのまま検索しません。文章を分解して複数の検索クエリを作り、その結果を読んでから答えます。つまり出典に選ばれる前に、まず検索の上位に入っている必要があります。

段階 そこで起きること ここで落ちる原因
1. クロール AIのクローラがページを取得する robots.txt での拒否、JavaScript 依存の本文
2. 検索 分解されたクエリで候補が集まる そのクエリで上位に入っていない
3. 選別 候補から出典を選ぶ 質問に直接答える記述が無い

本文を厚くする施策が効くのは3番目です。2番目で候補に入っていなければ、何を書いても読まれません。被引用がゼロのとき、まずどの段階で止まっているかを切り分ける必要があります。

この切り分けは、検索順位とAIクローラの到達状況を並べて見れば確認できます。順位が下位のまま本文だけを厚くしても、数字は動きません。

自社サイトで同じ確認をする手順

  1. 発注検討段階の質問を10〜20本決める。「〜とは」「費用相場」のような情報収集の問いは外す
  2. 各質問を生成AIに複数回投げる。回答は毎回変わるため、1回では判断できない
  3. 回答本文ではなく出典URLを記録する。本文に社名が出ただけの回は被引用に数えない
  4. 出典URLのドメインと、URLがどの面に置かれているかを集計する
  5. 最も多く現れたドメインが何割の回答に出るかを数える。ここが高い質問は短期では入れない

4番目まではブラウザと表計算でも確認できます。5番目は同じ質問を繰り返す必要があるため、自動化しないと現実的ではありません。

この数字の読み方と限界

  • 1つの生成AI (Perplexity / sonar) での実測です。モデルが変われば参照する出典数も顔ぶれも変わります
  • 質問はLLMO・Web制作の領域に限られます。他の業種で同じ比率になるとは限りません
  • 面の分類はURLの構造から判断しています。URLだけでは判断しきれないページが含まれる可能性があります
  • 「記事面だから引用された」という因果は示していません。引用されたページを見たら記事面が多かった、という観測です

計測は継続しています。条件が変わったときは、この記事を更新します。

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